にかいのまどまでのびたチューリップ |
二階の窓までのびたチユーリツプ |
冒頭文
あるお家(うち)に かあいいお猫(ねこ)さんがかはれてゐました。えりまきのかはりにもも色の首輪をつけて、たいへんハイカラにみじまひしてゐました。 或日、お庭をさんぽしてゐると、とつぜん、目のまへの土がムクムクとふくれて、その中から小さい草の芽が 頭をだしました。お猫さんはそんなものを見たのは はじめてでしたから、腰をぬかさんばかりにおどろきましたが、心をしづめて、「こんにちは、もぐらもちさん」と
文字遣い
新字旧仮名
初出
「コドモノクニ」東京社、1937(昭和12)年4月
底本
- 日本児童文学大系 第二六巻
- ほるぷ出版
- 1978(昭和53)年11月30日