おねこさん
お猫さん

冒頭文

毛を染めかへたお猫(ねこ)さん お正月が近づいて来たので、お猫(ねこ)さんのお父さんとお母さんはお猫さんをお風呂(ふろ)に入れて、毛皮の手入れをしなくちやならないと考へてをりました。なぜといつて、お猫さんは白猫さんでしたから。 「お父さん、ここに石けんの広告が出て居ますよ。これを使つたらどうかしら。何しろ、お猫さんは大変なおいたで、ふだんから、お風呂がきらひなので、まるで、どぶねづみみ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「子供之友」婦人之友社、1934(昭和9)年1月~4月、6月~12月

底本

  • 日本児童文学大系 第二六巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日