げっしゃのふくろをなくしたあひるさん
月謝の袋を失くしたあひるさん

冒頭文

あひるさんは泣きながら学校から帰つて来て、お母さんに申しました。 「お母さん、先生から頂いた月謝の袋を落したの。先生に叱(しか)られるといや」 お母さんはおつしやいました。 「あひるさんや、カバンの中をしらべて見て、なかつたら、明日(あした)、先生によくお話しをなさい」 そしてお八つの牛乳を下さいました。けれどもあひるさんは一口も飲みません。 「あひるさんや、さあ、お

文字遣い

新字旧仮名

初出

「子供之友」婦人之友社、1932(昭和7)年12月

底本

  • 日本児童文学大系 第二六巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日