うさきぎさんのほんやとリスのせんせい
兎さんの本屋とリスの先生

冒頭文

あるところに大変そそつかしい本屋さんがありました。兎(うさぎ)さんです。ある日、お店へ本が来ましたので、フロツクコートを着て、鼻眼鏡をかけて、ステツキを持つて、その本を小脇(こわき)にかかへて(人間から見るとおかしいですが、兎の本屋さんはこんなものです)売りに出かけました。 森の入口で、リスさんに会ひました。大変悧口(りこう)さうなひげを生やしたリスさんですから、本を買つてくれるだらうと

文字遣い

新字旧仮名

初出

「子供之友」婦人之友社、1932(昭和7)年11月

底本

  • 日本児童文学大系 第二六巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日