おはなをかじられたおねこさん |
お鼻をかじられたお猫さん |
冒頭文
あるところに、お猫(ねこ)さんがありました。誰(だれ)もつきあつてくれません。このお猫さんは、大へんきむづかしやで、年中おこつてばかりゐるからです。 或日(あるひ)、椅子(いす)に腰かけて新聞をよんでゐましたが、眠くなつて寝こんでしまひました。 そこへ、この間生れたばかりで、もうチヨコ〳〵走りまはつてゐるネズミさんがやつてきました。お猫さんがきむづかしやだなんてことは、まだ知り
文字遣い
新字旧仮名
初出
「子供之友」婦人之友社、1931(昭和6)年11月
底本
- 日本児童文学大系 第二六巻
- ほるぷ出版
- 1978(昭和53)年11月30日