おもちゃ の めがね
おもちや の めがね

冒頭文

あるところにおばあさんがありました。だいぶ目がうすくなつたので、目鏡(めがね)が一つほしいと思つて、ためておいたお金をお財布に入れて目鏡やさんに行きました。おばあさんは、 「目鏡やさん、このお財布のなかのお金をすつかりあげますから、一番よく見える目鏡を下さい。」と申しました。目鏡やさんはお財布をしらべましたら、五厘銅貨が廿枚しかありませんので、がつかりしてしまひましたが、十銭でも、もうけなけ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「子供之友」婦人之友社、1928(昭和3)年10月

底本

  • 日本児童文学大系 第二六巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日