あひるさん の くつ
あひるさん の くつ

冒頭文

ある時、きりぎりすさんが、靴屋(くつや)さんをはじめることになりました。 「どんな形の靴でもおのぞみしだいにつくります。」といふ看板を見てやつてきたのが、あひるさんです。 きりぎりすさんはあひるさんの足をはかつて、夜もねないで靴を一足こしらへて、あひるさんのところに持つてゆきました。 あひるさんは大変おしやれでしたから、自分の足の恰好(かつかう)のことは棚(たな)へあげて、き

文字遣い

新字旧仮名

初出

「子供之友」婦人之友社、1928(昭和3)年6月

底本

  • 日本児童文学大系 第二六巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日