かわへおちたたまねぎさん
川へおちた玉ねぎさん

冒頭文

ある町にジヤガイモ・ホテルといふ宿屋がありました。主人といふのが、ジヤガイモだつたからです。 主人のジヤガイモさんは大変親切な人だつたので、このホテルにはお客様がいつも多すぎて、どうかすると、一晩に、二人や三人のお客様をことわらなければならぬこともありました。 ある夕方、もう、この上一人のお客様も泊めることが出来ない程、満員になりましたので、「満員になりましたから、お気の毒でも

文字遣い

新字旧仮名

初出

「子供之友」婦人之友社、1927(昭和2)年9月

底本

  • 日本児童文学大系 第二六巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日