はちとくま
はちとくま

冒頭文

一匹の子熊(ぐま)が、森のなかから、のこ〳〵と日あたりのいい、のはらに出てきて、倒れてゐた丸太の上にこしをおろして、うれしさうにフフンとわらひました。 子熊はふところから、はちみつを入れたつぼをとりだして、ゆびでしやくつて、ちび〳〵なめはじめました。 「いつたべても、うまいのははちみつだ。はちみつにかぎる。あまくつて、おいしくつて。」とひとりごとを言ひながら、せつせとなめてをりまし

文字遣い

新字旧仮名

初出

「子供之友」婦人之友社、1925(大正14)年6月

底本

  • 日本児童文学大系26
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年