〈ピッコロさん〉
〈ピツコロさん〉

冒頭文

1 町の鴉(からす) 「ピツコロさん。こゝは町の真中(まんなか)ですよ。泣くんなら、横丁へはいつてお泣き。」 ピツコロ 「よけいなことを言ふな。だけど皆(みんな)が俺(おれ)の顔をみて笑つてる。少し恥かしいな。では、横丁へいつて泣かう。」 2 ピツコロ 「なほ悲しくなつて来た。どうしてこんなに涙がでるのかしらん」 横丁の猫 「ピツコロさん。小さいおぢいさん

文字遣い

新字旧仮名

初出

「子供之友」婦人之友社、1924(大正13)年11月

底本

  • 日本児童文学大系 第二六巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日