おひめさまとりょうし
お姫さまと猟師

冒頭文

お姫さまは朝から、大変ごきげんがわるうございました。そして、ぷりぷり、おこつてゐらつしやつたので、いつものかはいゝお姫さまではなくて、年をとつた、おばあさんのやうに、こはいお顔をしてゐらつしやいました。そこへ、お姫さまの大好きな、猟師が山から帰つて参りました。そして、 「お姫さま、今日は何にも、えものがございませんでした。」と猟師が申しました。 「えものがなかつたの?」と、お姫さまはおつし

文字遣い

新字旧仮名

初出

「子供之友」婦人之友社、1924(大正13)年7月

底本

  • 日本児童文学大系 第二六巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日