ぎょうこつき 01 (いち)
行乞記 01 (一)

冒頭文

このみちやいくたりゆきしわれはけふゆくしづけさは死ぬるばかりの水がながれて九月九日 晴、八代町、萩原塘、吾妻屋(三五・中)私はまた旅に出た、愚かな旅人として放浪するより外に私の行き方はないのだ。七時の汽車で宇土へ、宿においてあつた荷物を受取つて、九時の汽車で更に八代へ、宿をきめてから、十一時より三時まで市街行乞、夜は餞別のゲルトを飲みつくした。同宿四人、無駄話がとり〴〵に面白かつた、殊に宇部の乞食

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 山頭火全集 第三巻
  • 春陽堂書店
  • 1986(昭和61)年5月25日