じょりゅうはいくをみどくす
女流俳句を味読す

冒頭文

本も沢山よまず何の学問もない私が、句評をするという事の僭越さは自分でもよく知っているが、之はただ私の勉強の為め、小倉の女流達の為め、何の理屈もなく味い感じ、学ぶ心持ちに他ならぬ。其点大方の寛恕を乞い私の味読のしかたに誤あらばドシドシ御教示仰ぎたい。 独楽もつて子等上がりくる落葉寺  立子 独楽二つぶつかり離れ落葉中  同 あばれ独楽やがて静まる落葉かな  同 赤き独楽まはり澄み

文字遣い

新字新仮名

初出

「花衣 創刊号」1932(昭和7)年3月

底本

  • 杉田久女随筆集
  • 講談社
  • 2003(平成15)年6月10日