アイヌしんようしゅう
アイヌ神謡集

冒頭文

序 その昔この広い北海道は,私たちの先祖の自由の天地でありました.天真爛漫な稚児の様に,美しい大自然に抱擁されてのんびりと楽しく生活していた彼等は,真に自然の寵児,なんという幸福な人だちであったでしょう. 冬の陸には林野をおおう深雪を蹴って,天地を凍らす寒気を物ともせず山又山をふみ越えて熊を狩り,夏の海には涼風泳ぐみどりの波,白い鴎の歌を友に木の葉の様な小舟を浮べてひねもす魚を漁り

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • アイヌ神謡集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1978(昭和53)年8月16日