うめわかしちべえ |
梅若七兵衛 |
冒頭文
引続きまして、梅若七兵衞(うめわかしちべえ)と申す古いお話を一席申上げます。えゝ此の梅若七兵衞という人は、能役者の内狂言師でございまして、芝(しば)新銭座(しんせんざ)に居りました。能の方は稽古のむずかしいもので、尤も狂言の方でも釣狐(つりぎつね)などと申すと、三日も前から腰をかゞめている稽古をして居ませんければ、その当日に狂言が出来んという。それでも勤めますと後(あと)二三日(ち)は身体が利かん
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 圓朝全集 巻の三
- 近代文芸資料複刻叢書、世界文庫
- 1963(昭和38)年8月10日