さらやしき
皿屋敷

冒頭文

番町(ばんちょう)の青山主膳(あおやましゅぜん)の家の台所では、婢(げじょ)のお菊(きく)が正月二日の昼の祝いの済んだ後の膳具(ぜんぐ)を始末していた。この壮(わか)い美しい婢は、粗相して冷酷な主人夫婦の折檻(せっかん)に逢(あ)わないようにとおずおず働いているのであった。 その時お菊のしまつしているのは主人が秘蔵の南京古渡(なんきんこわたり)の皿であった。その皿は十枚あった。お菊はあら

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 怪奇・伝奇時代小説選集13 四谷怪談 他8編
  • 春陽文庫、春陽堂書店
  • 2000(平成12)年10月20日