さくしゃのことば(「うしやまホテル」のあとに)
作者の言葉(「牛山ホテル」の後に)

冒頭文

この作品について私はなんべんも解説めいたものを書いたが、自分で自分の作品に註釈をつける必要があるとは思はない。それは常に読者に何かを強ひることになるからだ。 それゆゑ、この文章は、「牛山ホテル」と切りはなして読んでほしい。 私は戯曲といふ文学形式が、日本ではまだ十分にその多様性が認められてゐないことを知り、自分の才能におかまひなく、いろいろな試みをやつてみる決心をした。処女作の

文字遣い

新字旧仮名

初出

「日本現代戯曲集Ⅰ」新潮文庫、新潮社、1951(昭和26)年4月30日

底本

  • 岸田國士全集28
  • 岩波書店
  • 1992(平成4)年6月17日