しんねんきょうそうきょく
新年狂想曲

冒頭文

登場人物 緑衣の男紫衣の女白衣の少年黒衣の老人 舞台 闇黒——やがて、遠景に弧形の地平線が現れ、その上部は次第に白光を放ち、幕の閉ぢる前には、舞台全体が暁の色に包まれる。中央に緑衣の男と、紫衣の女とが並んで坐つてゐる。その右に白衣の少年が寝ころび、左に、黒衣の老人が立つてゐる。 緑衣の男  (独言のやうに)今年ほど運り合せの悪い年はなかつた。一月早々自動電話の中へ紙入れを忘れ、二月には魚の骨を咽喉

文字遣い

新字旧仮名

初出

「時事新報」1928(昭和3)年1月8日、9日

底本

  • 岸田國士全集3
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年5月8日