かにくんのめんかいび
可児君の面会日

冒頭文

可児(かに)君 可児夫人 女中 織部 木暮妙 鳥居冬 駒井 毛利 泊 斎田 一月十二日午後—— 極めて平凡な客間兼書斎 可児君  今日こそゆつくり寝てゝもよかつたんだ。下らないことに気をつかつたりなんかして——見ろよ、一人も来ないうちから、もう草臥れた。(仰向けに寝ころがる) 夫人  そんなに気をおつかひになることはないでせう。二時までに、

文字遣い

新字旧仮名

初出

「女性 第十一巻第三号」1927(昭和2)年3月1日

底本

  • 岸田國士全集2
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年2月8日