あきのたいわ
秋の対話

冒頭文

桔梗 芒 女郎花 こうろぎ 風 蛇 少女 老婆 高原——別荘の前庭——秋 遠景は、澄み渡つた空に、濃淡色とりどりの山の姿。 舞台中央に白樺の幹が二本並んでゐる。その根もとに雑草の茂み。       第一場 朝——小鳥の啼き声が聞える。桔梗と女郎花と芒とが、それぞれ異なつたポーズをもつて白樺の根もとに寄り添つてゐる。桔梗は十八九、女郎花は十六七、芒は二

文字遣い

新字旧仮名

初出

「大阪朝日新聞」1927(昭和2)年1月3日

底本

  • 岸田國士全集2
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年2月8日