おくじょうていえん
屋上庭園

冒頭文

人物 並木 その妻 三輪 その妻所 或るデパアトメントストアの屋上庭園時 九月半ばの午後 二組の夫婦が一団になつて、雑談を交してゐる。一方は裕福な紳士令夫人タイプ、一方は貧弱なサラリイマン夫婦を代表する男女である。男同志は極めて親しげな様子を見せてゐるに拘はらず、女同志は、互に打解け難い気持を強ひて笑顔に包んでゐるといふ風が見える。 三輪  それで買物は済んだのかい。並木  買物……? 買物な

文字遣い

新字旧仮名

初出

「演劇新潮 第一巻第八号」1926(大正15)年11月1日

底本

  • 岸田國士全集2
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年2月8日