某(ある)禅寺に壮(わか)い美男の僧があって附近の女と関係しているうちに、僧は己(じぶん)の非行を悟るとともに大(おおい)に後悔して、田舎へ往って修行をすることにした。関係していた女はそれを聞いてひどく悲しんだが、いよいよ別れる日になると、禅宗の僧侶の衣の腰に着ける一本の紐を縫って持って来て、「これを、私の形見に、いつまでもつけてください」 と云ってそれを僧の腰へ巻いて往った。僧はそこで出発し