きゅうかんてきしゅうかん シュピオしょうし
休刊的終刊 シュピオ小史

冒頭文

「シュピオ」は本号で第四巻第三号を数えた。尤もこれは前身たる同人雑誌「探偵文学」の重ねた年齢を含んでいるのであって、そもそもの出発は昭和十年三月に出た「探偵文学」にある。この雑誌は当時の所謂探偵小説の小鬼共が、十三人で始めた小雑誌で第二号で十一人となり第三号では九人となり、つづいて八人の同志となってしまったにも不拘(かかわらず)、この八人で頑張って漸次紙数も増し、探偵小説の同人雑誌としては奇蹟的に

文字遣い

新字新仮名

初出

「シュピオ」1938(昭和13)年4月号

底本

  • 「シュピオ」傑作選 幻の探偵雑誌3
  • 光文社文庫、光文社
  • 2000(平成12)年5月20日