ぶんごしこう ごじっぺん
文語詩稿 五十篇

冒頭文

いたつきてゆめみなやみし いたつきてゆめみなやみし、  (冬なりき)誰ともしらず、 そのかみの高麗の軍楽、    うち鼓して過ぎれるありき。 その線の工事了りて、     あるものはみちにさらばひ、 あるものは火をはなつてふ、  かくてまた冬はきたりぬ。 水と濃きなだれの風や 水と濃きなだれの風や、    むら鳥のあやなすすだき、 アスティルベきらめく露と、  ひるがへる温石の門

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 新修宮沢賢治全集 第六巻
  • 筑摩書房
  • 1980(昭和55)年2月15日