いたつきてゆめみなやみし いたつきてゆめみなやみし、 (冬なりき)誰ともしらず、 そのかみの高麗の軍楽、 うち鼓して過ぎれるありき。 その線の工事了りて、 あるものはみちにさらばひ、 あるものは火をはなつてふ、 かくてまた冬はきたりぬ。 水と濃きなだれの風や 水と濃きなだれの風や、 むら鳥のあやなすすだき、 アスティルベきらめく露と、 ひるがへる温石の門