しんぶんしょうせつ
新聞小説

冒頭文

新聞小説には殆ど経験がないといつてもいゝし、従つて自分でかうといふ野心を持つてゐるわけでもありませんけれども、自分だけの問題として考へれば、これからも新聞の小説を書いてみようといふ興味があるし、書くに就いては形式の上から云つても内容の上から云つても、自分が満足するだけでなく、非常に広い範囲にわたる読者へ相当興味の持てるやうなものをといふ事は自然考へてゐます。 で、その形式や内容から言つて

文字遣い

新字旧仮名

初出

「文学時代 第三巻第十号」1931(昭和6)年10月1日

底本

  • 岸田國士全集21
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年7月9日