「ひげききげき」こうこく
「悲劇喜劇」広告

冒頭文

*悲劇喜劇は、人生の中に舞台を観ようとするものの覘眼鏡である。 *悲劇喜劇は、近代演劇の迷宮を訪ふものの為めに編まれた新版案内書である。 *悲劇喜劇は、今の芝居を観に行かない人々を顧客とする移動小劇場である。 *悲劇喜劇は、また、劇を談ずるだけが能でない芸術的酒場(キヤバレ・アルチスチツク)である。 *最後に悲劇喜劇は、一部私の貧しいノオトである。(岸田國士

文字遣い

新字旧仮名

初出

「文芸春秋 第六年第九号」1928(昭和3)年9月1日

底本

  • 岸田國士全集21
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年7月9日