にほんのしんげき
日本の新劇

冒頭文

現在いろいろな場合に新劇といふ言葉が使はれてをりますが、先日もある機会に、「新劇」とはなんぞやといふ質問が出ましたのに、この答へを当然用意してゐなければならない人々が、実はお互に顔を見合せて苦笑をした次第であります。 これを「新しい芝居」と云ひ直してみても、その「新しい」といふことが何処までの範囲を指すか問題になります。何時如何なる時代に於ても、新しいといふことはそれ自身に一つの魅力であ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「築地座 第二十五号」1934(昭和9)年11月24日

底本

  • 岸田國士全集22
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年10月8日