えんげきとうめんのもんだい
演劇当面の問題

冒頭文

戯曲不振の理由 「戯曲家は生れながら戯曲家である」といふやうなことも云はれるが、しかしまた、戯曲家が戯曲家たる動機は、小説家が小説家たり、詩人が詩人たる動機と決して異つたものであるとは云へないのであつて、少くとも今日までの歴史を通じてみれば、多くの例が、その点について興味のある事実を語つてゐるのである。 つまり、一人の優れた戯曲家は、必ず、その周囲に、彼の戯曲創作慾を燃え立たせる「演劇的雰

文字遣い

新字旧仮名

初出

「文芸 第二巻第四号」1934(昭和9)年4月1日

底本

  • 岸田國士全集22
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年10月8日