いしをつむ
石を積む

冒頭文

徳富蘇峰先生の「鎮西遊記」の中に、水俣(みなまた)は昔から風俗のよい処、高山彦九郎が蘇峰先生の曽祖父につれられて、陣の坂を通るをり、道端の大石に、小石が山のやうに積みあげてあるのを見て不審したら、先生の曽祖父は旅人の不便を思うて、里人が道のべの小石を拾うたのだと答へた。彦九郎はそれを聴いて良風美俗、田舎に残れりと感心したといふ意味の文がある。 小石を道のべの大石の上に積むのが、果して旅人

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆88 石
  • 作品社
  • 1990(平成2)年2月25日