せんししたともだきょうすけし
戦死した友田恭助氏

冒頭文

友田君戦死の通知を受けて、かねて覚悟はしてゐたことながらまだ半信半疑の気持である。 俳優としての友田君は築地小劇場時代から知つてはゐたが、本統に知り合つて一緒に仕事をしはじめたのは昭和七年二月築地座結成以来である。 築地小劇場解散以後『新築地』『左翼劇場』『地球座』等左翼的傾向をもつた新劇団が続出し、それにつれて多くの新人俳優が擡頭して来たが、友田君は『新東京』以来本格的な新劇

文字遣い

新字旧仮名

初出

「報知新聞(夕刊)」1937(昭和12)年10月9日

底本

  • 岸田國士全集23
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年12月7日