いし

冒頭文

土庄の町から一里ばかり西に離れた海辺に、千軒といふ村があります。島の人はこれを「センゲ」と呼んで居ります。この千軒と申す処が大変によい石が出る処ださうでして、誰もが最初に見せられた時に驚嘆の声を発するあの大阪城の石垣の、あの素破らしい大きな石、あれは皆この島から、千軒の海から運んで行つたものなのださうです。今でも絵はがきで見ますと、其の当時持つて行かれないで、海岸に投げ出された儘で残つて居るたくさ

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆88 石
  • 作品社
  • 1990(平成2)年2月25日