私が巴里で岡田君を識つたのは、欧洲大戦の終つた一九一九年の初めでありました。同君は既に私より早く巴里に来てゐて、いろいろ巴里の生活に関する知識を与へてくれ、その上、窮乏のどん底にありながら、仕事に魂を打ち込んでゐる有様が、私をまた、絶えず刺激し鞭韃したことも事実であります。 岡田君は、絵について全くの素人である私に、自分の抱負と、既に歩みつゝある道について語ること屡々でありましたが、私の理解し