ばいうきのじょうぜつ
梅雨期の饒舌

冒頭文

自分一人の力ではどうにもならないやうなことを、やれどうしなければならぬ、かうしなければならぬと、むきになつていふのは、落付いて考へて見ると、甚だ滑稽であり、ある種の人から見れば、さぞ片腹痛く思はれるであらうが、何時の時代にもまた何れの社会にも、かういふ「おせつかい」がゐて、頼まれもせぬことを、頭痛に病んでゐるらしい。 例へば、社会改良(或は革命)家とか、文芸批評家とかいふ類の人間は、どつ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「東京日日新聞」1927(昭和2)年6月14日、15日、16日

底本

  • 岸田國士全集20
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年3月8日