きのいいかざんだん
気のいい火山弾

冒頭文

ある死火山のすそ野のかしはの木のかげに、「ベゴ」といふあだ名の大きな黒い石が、永いことじぃっと座ってゐました。 「ベゴ」と云(い)ふ名は、その辺の草の中にあちこち散らばった、稜(かど)のあるあまり大きくない黒い石どもが、つけたのでした。ほかに、立派な、本たうの名前もあったのでしたが、「ベゴ」石もそれを知りませんでした。 ベゴ石は、稜がなくて、丁度卵の両はじを、少しひらたくのばしたやうな

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 新修宮沢賢治全集 第八巻
  • 筑摩書房
  • 1979(昭和54)年5月15日