しんこくげきの「おくじょうていえん」をみて
新国劇の「屋上庭園」を観て

冒頭文

年末から旅行をしてゐたので、今日(十四日)見ました。 一体、作者が、ある俳優または劇団に、自分の作品の上演を許可し、時には依頼することもあるが、さういふ場合にその俳優の舞台を云為することは、礼儀上謹しむべきことであつて、ましてこれを公表することは私の趣味からいつても可嫌なことだが、いろ〳〵の場合に言つてゐるやうに、現在はある意味で新劇の啓蒙時代である。演劇の当事者は勿論、その研究者、さら

文字遣い

新字旧仮名

初出

「演劇新潮 第二巻第二号」1927(昭和2)年2月1日

底本

  • 岸田國士全集20
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年3月8日