ぎきょくにじゅうごへんをよまされたはなし
戯曲二十五篇を読まされた話

冒頭文

四月号の寄贈雑誌大小十六種のうちから、創作戯曲二十五種を選び出し、昨日(四日)まで暇を盗んで読んだ。その結果がこの一文になるわけであるが、僕は決してこの仕事を自分に適した仕事だとは思はない。たゞ書く方で愉快にならないやうな文章は、読む方でもつまらないにきまつてゐるから、努めてじう面はつくらないことにする。そのかはり、多少の戯談は許してもらひたい。 第一断つて置かなければならないのは、チヨ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「東京朝日新聞」1926(大正15)年4月14、15、16、17、20、21日

底本

  • 岸田國士全集20
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年3月8日