はやしのそこ
林の底

冒頭文

「わたしらの先祖やなんか、 鳥がはじめて、天から降って来たときは、 どいつもこいつも、みないち様(やう)に白でした。」 「黄金(きん)の鎌(かま)」が西のそらにかゝつて、風もないしづかな晩に、一ぴきのとしよりの梟(ふくろふ)が、林の中の低い松の枝から、斯(か)う私に話しかけました。 ところが私は梟などを、あんまり信用しませんでした。ちょっと見ると梟は、いつでも頬(ほほ)

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 新修宮沢賢治全集 第十巻
  • 筑摩書房
  • 1979(昭和54)年9月15日