つちがみときつね
土神と狐

冒頭文

(一) 一本木の野原の、北のはづれに、少し小高く盛りあがった所がありました。いのころぐさがいっぱいに生え、そのまん中には一本の奇麗な女の樺(かば)の木がありました。 それはそんなに大きくはありませんでしたが幹はてかてか黒く光り、枝は美しく伸びて、五月には白き雲をつけ、秋は黄金(きん)や紅やいろいろの葉を降らせました。 ですから渡り鳥のくゎくこうや百舌(もず)も、又小さなみ

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 新修宮沢賢治全集 第十巻
  • 筑摩書房
  • 1979(昭和54)年9月15日