しらふのくだ
素面の管

冒頭文

文学を愉しむ文学者の少いことは一体わが国の誇りですか。 あれではいけない、これではいけない——まあ、なんといふ気むづかしい連中の寄合だらう。 それもいゝさ。批評家などゝいふものは、わかつてもわからなくても、顔をしかめてさへゐれば、何か意見がありさうに見えるんだから。しかし、自分で小説なり戯曲なりを書いてゐながら、人の書いたものと云へば頭ごなしにこき下し、たまに褒めたかと思へば、

文字遣い

新字旧仮名

初出

「都新聞」1925(大正14)年3月15、17、18、19日

底本

  • 岸田國士全集19
  • 岩波書店
  • 1989(平成元)年12月8日