つきじしょうげきじょうのはたあげ
築地小劇場の旗挙

冒頭文

日本にはじめて純芸術的劇場が建てられ、その当事者が、何よりもまづ未来に目的を置いて、根本的な演劇革新運動を起したといふことは、実に愉快である。 「最初に現れたものをいきなり見られ、いきなり判決を下される事は迷惑至極である」だらう。僕は決してそんなことはしないつもりである。 「我々の使命は、如何なる形に於てなされるか、今我々自身予想することは出来ない」と、同劇場の首脳の一人は宣言する。ジャッ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「新演芸 第九巻第七号」1924(大正13)年7月1日

底本

  • 岸田國士全集19
  • 岩波書店
  • 1989(平成元)年12月8日