松の木や楢(なら)の木の林の下を、深い堰(せき)が流れて居(を)りました。岸には茨(いばら)やつゆ草やたでが一杯にしげり、そのつゆくさの十本ばかり集った下のあたりに、カン蛙(がへる)のうちがありました。 それから、林の中の楢の木の下に、ブン蛙のうちがありました。 林の向ふのすゝきのかげには、ベン蛙のうちがありました。 三疋(びき)は年も同じなら大きさも大てい同じ、どれ