うまじごく
馬地獄

冒頭文

東より順に大江橋(おおえばし)、渡辺橋(わたなべばし)、田簑橋(たみのばし)、そして船玉江橋まで来ると、橋の感じがにわかに見すぼらしい。橋のたもとに、ずり落ちたような感じに薄汚(うすぎたな)い大衆喫茶店(きっさてん)兼飯屋(めしや)がある。その地下室はもとどこかの事務所らしかったが、久しく人の姿を見うけない。それが妙(みょう)に陰気(いんき)くさいのだ。また、大学病院の建物も橋のたもとの附属(ふぞ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • ちくま日本文学全集 織田作之助
  • 筑摩書房
  • 1993(平成5)年5月20日