おろかなる(?!)ははのさんぶんし
愚なる(?!)母の散文詩

冒頭文

わたしは今、お化粧をせつせとして居ます。 けふは恋人のためにではありません。 あたしの息子太郎のためにです。 わたしの太郎は十四になりました。 そして、自分の女性に対する美の認識についてそろそろ云々するやうになりました。 太郎の為にも、わたしはお化粧をしなくてはなりません。太郎が、いまにいくら美しい恋人を持つとしても、マヽが汚なくては悲観するでせう

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆42 母
  • 作品社
  • 1986(昭和61)年4月25日