はらきょうじゅをまつるぶん |
祭原教授文 |
冒頭文
維大正十三年三月丁亥、故原教授の僚友門人等相謀り、席を妙滿の精舍に設け、僧に請ひ經を誦し、敬みて君の靈を祭る。嗟光陰の逝き易きは、駒の隙を過ぎるに譬ふ、君が館を捐てしより已に二月を經たり。講帷の舊物、卷帙空しく存し、蒿里の新歌、幽明長へに隔たりぬ、嗚呼哀哉。古人言へることあり、上士は生死を齊しくし、下士は生を愛し死を惡んで之に迷ふと。予君が平生を知り屡々死生の説を聞く。又其初疾より以て命終に迄るま
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「藝文 第十五年第四號」1924(大正13)年
底本
- 支那學文藪
- みすず書房
- 1973(昭和48)年4月2日