インドのむかしばなし
印度の古話

冒頭文

いづれの邦(くに)にも古話(むかしばなし)といふものありて、なかなかに近き頃(ころ)の小説家などの作り設くとも及びがたきおもしろみあるものなり。されど小国民を読むほどの少年諸子には、桃太郎猿蟹合戦(さるかにかっせん)の類(たぐい)も珍らしからざるべく、また『韓非子(かんぴし)』『荘子(そうじ)』などに出(い)でたるも珍らしからざるべければ、日本支那のは姑(しばら)く措(さしお)きて印度の古話を蒐(

文字遣い

新字旧仮名

初出

「小国民」学齢館、1893(明治26)年6月下旬、7月上旬

底本

  • 日本児童文学名作集(上)
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1994(平成6)年2月16日