『ちゅうもんのおおいりょうりてん』じょ
『注文の多い料理店』序

冒頭文

わたしたちは、氷砂糖をほしいくらゐもたないでも、きれいにすきとほつた風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。 またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗(らしや)や、宝石いりのきものに、かはつてゐるのをたびたび見ました。 わたくしは、さういふきれいなたべものやきものをすきです。 これらのわたくしのおは

文字遣い

新字旧仮名

初出

「イーハトヴ童話 注文の多い料理店」盛岡市杜陵出版部・東京光原社、1924(大正13)年12月1日

底本

  • 宮沢賢治全集8
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1986(昭和61)年1月28日