じんぞうものがたり
人造物語

冒頭文

人造人間(ロボット)——1931年型である。     *   * 人造人間とはどんなものか。 人造人間とは、人間が作った人形で、そいつは、機械仕掛けで、人間の命令どおり、忠実に根気よく働く奴だ。     *   * さて、その人造人間が、ようやく、その存在を認められかけて来たようだ。 本誌「新青年」の新年号に、「人造人間殺害事件」という探偵小説が出たのも

文字遣い

新字新仮名

初出

「新青年」1931(昭和6)年4月号

底本

  • 海野十三全集 別巻1 評論・ノンフィクション
  • 三一書房
  • 1991(平成3)年10月15日