実はねえ、とマテュー・ダントラン君が云った。——僕はその山※[#「鷸」のへんとつくりが逆、86-1](やましぎ)のはなしで、普仏戦争当時の挿話をひとつ思い出すんだよ。ちと陰惨なはなしなんだがね。 君は、コルメイユの町はずれに僕がもっていた地所を知っているだろう。普魯西(プロシア)の兵隊が押寄せて来た頃は、僕はあそこに住んでいたのだ。 その頃、僕のうちの隣りに、まあ狂女(きちがい)と云うのだ