おどるちへいせん 13 ふき
踊る地平線 13 附記

冒頭文

旅から帰って、はじめて郷国の真価値がその額面通りに買い得るというものだ。今の僕がそれである。もう、実を言うと原稿なんかどうでもいいんで、ただやたらに日本の着物を着て、たたみに寝ころんで、好きな日本の食物を並べておいて、片っ端から食べていたいだけだ。下素だが、真情だから仕方がない。が、この二、三日、半夜孤座して、持ち帰った荷物の整理をしている。すると、実に下らない色んなものが出て来るんだが、それが、

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 踊る地平線(下)
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1999(平成11)年11月16日