ししはしせるにあらず しゅうかんのじにかえて
獅子は死せるに非ず 終刊の辞に代えて

冒頭文

「シュピオ」に、終刊号が出ることになった。 われわれは、ほぼ所期の目的を達成したのであるから、此処で終止符を打つことにする。 人は惜しまれ……花は爛漫のとき……そして「シュピオ」は、もっとも売れつつある高潮期に幕をおろす。もちろん、営業部からは続刊の希望もあったが、すでに一年間とさだめた終刊の時期も過ぎているので、名残り惜しいが燈台の灯を消すことにした。 では……何故、売

文字遣い

新字新仮名

初出

「シュピオ」1938(昭和13)年4月号

底本

  • 「シュピオ」傑作選 幻の探偵雑誌3
  • 光文社文庫、光文社
  • 2000(平成12)年5月20日